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虫歯
虫歯って、どうして「虫の歯」というのでしょうか?ちょっと調べてみました。「虫歯」の名前の由来には諸説あるようで、はっきりしませんが、昔から日本人はさまざまな病気の原因を「虫」のせいにしたという説があります。疳の虫、寄生虫、水虫など、なんとなく気持ちわるいものを「虫」としてしまったようです。現代でも、若い女性など「虫嫌い」は多いですよね。これと関係して、虫が「むしばむ」というところから「虫歯」になったという説もありますが、どうも本当のところは解りません。
医学用語で言えば「虫歯」は「う蝕」といいます。英語ではcavity、cave(洞窟)を語源としているそうです。
ところで、「虫歯」とはどういう状態をいうのでしょうか?
それは、簡単にいえば、口の中で、細菌が口の中の糖分を利用して「酸」を作り、歯をとかしてしまう病気といえます。糖分は、チョコレートやキャンディーなど甘いものばかりでなく米やパンにも含まれていますから、食べ物全般と考えていた方が良さそうです。
そしてやっかいなことに、一度虫歯が出来て歯に穴が空いてしまうと、自然に治ることはほとんどありません。虫歯が早期発見・早期治療というのは、ほっておくとどんどん進行していって、最後には、歯全体が壊れ、周囲の歯にも悪い影響を与えることになるからです。
では、何故人は虫歯になってしまうのでしょうか?
この原因はテレビのCMなどでも良く聞く「プラーク」というものです。プラーク、すなわち歯垢です。プラークというのは、食べもののカスではなく、細菌の塊なのです。
プラークコントロール、これは歯磨きという意味で、虫歯予防には歯磨きが欠かせません。
また通常口の中は、ペーハー(pH)が6.7程度の中性に近く保たれており、この状態では虫歯にはならないのですが、食べ物をとると、口の中のプラークが酸を作り出し、pHが5.5位になり、虫歯の出来やすい環境が形成されます。通常このpHがもとにもどるのは40分位かかりますが、その間に歯磨きをすれば、容易にpHを中性に戻すことが出来る訳です。
不幸にも虫歯になってしまったらどうしますか?自然治癒はありえないのですから、どうしても歯科医院にかからなければなりません。
では、虫歯の進行と治療法ってどんなことをするのでしょうか?段階はC1~C4までの4段階があります。
まずC1エナメル質の虫歯と呼ばれる段階。痛みなどの自覚症状はありませんが、エナメル質が溶け、黒ずみ始めます。この段階で治療しておけば痛みもなく治療も早く終わります。
次の段階はC2象牙質の虫歯と呼ばれる段階。冷たいものや甘いものが歯にしみます。
この治療は、虫歯の部分のみを削り詰め物(インレー)をするだけで終わります。
次はC3歯髄まで進んだ虫歯。この段階になると何もしなくとも激しい痛みに襲われます。
治療法としては、歯の神経が侵されているので、歯髄をとって被せもの(クラウン)をします。この時、歯の欠損した部分が大きくて直接クラウンが被せられない場合には、人工の土台を作った上にクラウンを被せることになります。
そして第4の段階。C4歯根まですすんだ虫歯。この段階では神経が死んでいるため、痛みがなくなりますが、歯の根の先が化膿すると再び痛みが襲ってきます。治療法としては、
ほとんどの場合抜歯が必要で、歯を抜いた際には入れ歯やインプラントなどで失った歯の機能を回復させる必要があります。
このように虫歯は初期の段階で治療すれば簡単ですが、ほっておくと治療自体も大変で長引くことになりますので、ぜひ早期治療を心がけてください。
最後に、虫歯予防の方法をご紹介しましょう。
まず、重要なのは歯磨きです。毎食後歯を磨くことも大事ですが、大切なことは、プラーク(歯垢)を取り除くような磨き方をしないと意味がないということです。夜1回でもテレビでも見ながらじっくり時間をかけて磨くというのもひとつの方法です。
つぎに、甘いものをだらだら長時間食べないということも大切です。何か作業をしている最中、ずっと飴をなめていたり、おやつを食べている人がいますが、これは虫歯菌が酸を作るのを促進することにつながります。つまりお菓子は大量に一度に食べた方が良いのです。また甘いおやつは食事とセットでとることも効果があります。そして食べ終わった後は、水やお茶でうがいし、口の中に酸を作らないようにすることも大事です。
また良く噛んで食べることも必要です。良く噛むことで唾液の分泌量が増え、唾液に含まれる歯の再石灰化現象で初期の虫歯を修復することができます。
全体的には、間食を控えることもとても大事です。
また小さいお子様には、フッ素塗布治療も効果的です。
どうか日々このようなことを心掛けて虫歯にならないよう注意してください。